2024年から始まる新NISA制度。現在、積立NISAや一般NISAを利用している方は、新NISAへの移行手続きが気になるところですよね。
金融機関によって切り替え方法が異なるため、SBIや楽天で積立NISAを利用している人は特に注意が必要です。
そこで本記事では、新NISAへの移行手続きに必要な情報をまとめました。
一般NISAから新NISAへの切り替え方法や、積立NISAから新NISAへの切り替えの流れを詳しく解説します。
新NISAは非課税枠が拡大するなどメリットが大きい一方で、口座管理などで注意点もあります。
新NISAを上手に活用するためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 旧NISA口座を保有していれば、新NISA口座への移行手続きは不要で自動的に開設される
- 旧NISAの積立設定は、原則として新NISAに自動で引き継がれる
- 旧NISAから新NISAへのロールオーバー(移管)はできない
- 新NISA口座で金融機関を変更したい場合は、期限内に手続きが必要
新NISAへの移行手続きは必要?積立NISAや一般NISAからの切り替え方法
積立NISAから新NISAへの切り替えは自動で行われる
2023年中に積立NISA口座を保有している場合、年末時点で同じ金融機関の新NISA口座が自動的に開設されます。
そのため、金融機関を変更しない限り、新NISA口座への切り替え手続きは不要です。
積立NISAと新NISAは別枠管理となり、それぞれの枠内で非課税投資を行うことができます。
一般NISAから新NISAへの切り替えも自動
一般NISAから新NISAへの切り替えも、積立NISAと同様に自動で行われます。
2023年中に一般NISA口座を保有していれば、年末時点で同じ金融機関の新NISA口座が自動的に開設されるため、特別な手続きは必要ありません。
ただし、一般NISAの非課税期間は5年間のため、注意が必要です。
積立NISAの商品は新NISAでそのまま運用可能
積立NISAで保有している商品は、新NISAとは別枠で管理されます。
そのため、新NISA制度開始後も、積立NISAの商品を売却する必要はありません。
積立NISAの商品は非課税期間が終了するまで、そのまま非課税で運用を続けることができます。
ただし、新規買付は2023年末までとなります。
新NISAへの移行で積立設定は引き継がれる
積立NISAで行っていた投資信託の積立設定は、原則として新NISAに自動で引き継がれます。
ただし、新NISAのつみたて投資枠で対象外となる一部の銘柄については、積立設定が引き継がれない可能性があるため注意が必要です。
積立設定の自動引き継ぎと引き継ぎ時のスケジュールは金融機関によって異なるため、対象ファンドとあわせてスケジュールも必ず確認しておきましょう。
新NISAではロールオーバーができない
新NISAへの移行に伴い、2024年以降は旧NISAのロールオーバーもできなくなります。
これまでは一般NISAの非課税期間満了時に手続きをすることで、最長10年間の非課税期間延長が可能でしたが、新NISAでは非課税期間が無期限となるため、ロールオーバーの仕組み自体がなくなります。
一般NISAで保有する商品は、非課税期間終了前に売却するか、終了後は課税口座に移管する必要があります。
新NISAで証券会社を変更する方法
新NISA口座は年単位で金融機関を変更できます。
変更を希望する場合は、変更前の金融機関で廃止手続きを行い、変更先の金融機関で新NISA口座開設の申込みが必要です。
金融機関変更の申込期限は毎年9月末となっているため、スケジュールに注意しましょう。
2024年に新NISAの非課税枠を一度でも利用すると、その年は金融機関の変更ができません。
新NISAへスムーズに移行するためのポイントと注意点
新NISAと積立NISAは併用できる
新NISA開始後も、積立NISA口座をそのまま保有し続けることができます。
新NISAと積立NISAは別枠管理のため、両方の制度を併用して非課税メリットを享受することが可能です。
これにより、資産形成の選択肢が広がるというメリットがあります。
ただし、積立NISAの新規買付は2023年末で終了するため、注意が必要です。
新NISAへ移行後も積立NISAの売却は自由
新NISAへ移行した後も、積立NISA口座で保有する商品の売却は自由にできます。
非課税期間内の売却であれば税金はかからないため、含み益が出ているタイミングで売却し、利益を確定させるという選択肢もあります。
ただし、積立NISAの非課税期間は20年間のため、期間終了後は課税口座への移管か売却が必要です。
新NISAへの口座変更は期限内に手続きを
新NISAで金融機関を変更したい場合は、期限内の手続きが必要です。
金融機関変更の申込期限は毎年9月末のため、変更を希望する年の9月末までに、変更元と変更先両方の金融機関で所定の手続きを済ませましょう。
期限に遅れると、翌年までは変更できません。金融機関によって手続きの詳細が異なるため、早めに確認しておくことが大切です。
新NISAは売却しても非課税枠を再利用可能
新NISAでは、保有商品を売却した場合、売却分の非課税枠を再利用できます。
たとえば年間120万円を積立投資して数年後に売却した場合、売却分の取得額と同額を新たな非課税枠として利用可能です。
これにより、教育資金や住宅資金のために運用途中で商品を売却しても、翌年にはその枠を再利用できる使い勝手の良い制度設計となっています。
新NISAで長期的な資産形成を目指そう
新NISAは非課税期間が無期限のため、超長期の資産形成に適しています。
20年、30年といった長期の積立投資を継続することで、複利効果によって資産を大きく増やすことが期待できます。
新NISAを活用して計画的に資産形成を進めていきましょう。
ライフプランに合わせた適切な投資計画を立て、着実に実行していくことが重要です。
新NISAに関するよくある質問
Q. 積立NISAの商品を新NISA口座に移管できる?
A. 移管(ロールオーバー)はできません。非課税期間終了後は、売却するか課税口座に移す必要があります。
Q. 新NISAで買付できる商品は?
A. 上場株式、公募株式投資信託、ETF、REITなどが対象です。
Q. 新NISA口座はいつ開設される?
A. 2023年中にNISA口座を持っていれば、2024年1月に自動で開設されます。
まとめ:新NISA移行手続きは必要?
記事のまとめ
- 旧NISA口座と新NISA口座は別枠管理であり、統合やロールオーバーはできない
- 2023年中に旧NISA口座を保有していれば、新NISA口座が自動的に開設される
- 旧NISAの積立設定は、一定の条件を満たせば新NISAに自動で引き継がれる
- 一般NISAで可能だったロールオーバーは、2024年以降はできなくなる
- 新NISA口座は年単位で金融機関を変更できるが、手続き時期と非課税投資状況に注意が必要だ
- 金融機関変更には、変更前と変更後の両方の金融機関での手続きが必要となる
- 旧NISAと新NISAは併用可能で、両方を活用すれば生涯の非課税投資枠が増える
- 非課税枠をフル活用するなら、旧NISAは非課税期間終了ギリギリまで投資するのが効果的だ
- 旧NISAの保有商品は、非課税期間終了後に課税口座に移すという選択肢もある
- 新旧NISA口座の活用方法や出口戦略は、個人の状況によって異なるため、専門家に相談するのが賢明だ